独立開業を考えている弁護士にとって、中小企業法務での顧問契約獲得は、固定収入を確保する意味でも、とても大きな要素です。その獲得の為には、「専門性の伝え方」がカギを握ります。今回は、顧問契約に繋げる為のウェブサイトと弁護士のプロフィールの作り方にスポットを当て説明していきます。


【1】なぜ“中小企業専門”と書いただけでは響かないのか?

 弁護士が、ただ「中小企業法務に注力しています」と書いていても、
経営者の側には「自分に関係があるかどうか」が見えていません。

理由は主に2つです。

  • 「中小企業」の幅が広く、業種も規模もバラバラであること
  • 法律事務所のHPは抽象的な表現が多く、具体的なサービスが見えにくいこと

つまり、“誰のために、何ができて、どんな価値を生むのか”が不明確だと、
いくら「中小企業向け」と掲げても集客につながりません。


【2】HPで差別化するための設計視点

トップページ:「私の悩みの解決に近そう」と感じさせる

まず最初に訪れるのはトップページです。
ここでは3秒で、「この事務所は自社と相性がいいのでは」と思わせる必要があります。

悩みベースの訴求文を例にすると

✕ 一般的な訴求

「中小企業の法務サポートに力を入れています」

〇 経営者目線の訴求

「社員対応、契約書、資金繰り……法律相談が“つい後回し”になっていませんか?」
経営者の“右腕”として、小さな不安から伴走します。


業務内容ページ:事例型 or 業種特化型で見せる

 単に「契約書レビュー」「労務問題」などと並べるだけでは差別化できません。
「誰に、どんな時に、どういう支援ができるのか」が見えると、経営者の共感度が上がります。

例:事例型の記述

【例】解雇トラブルの予防
飲食業の顧問先において、勤務態度に問題のある社員を円満に退職させるための就業規則の改定と、指導記録の整備を支援。問題化せずに対応が完了。

例:業種特化を前面に出す

■ 建設業・製造業の企業法務に強み
元請・下請との契約書対応、請負代金の回収、従業員の安全衛生対応など、現場の実情を踏まえたアドバイスが可能です。

専門性を「実務文脈」で伝えることで、より刺さりやすくなります。


顧問契約案内ページ:比較軸と「選びやすさ」を整える

 経営者にとって、顧問契約は「毎月払うもの=固定費」という感覚があります。
そのため、明確で柔軟なプラン設計+比較しやすい表現が求められます。

例:料金表のわかりやすい提示

プラン月額(税込)対応内容
ライト33,000円月1件までの相談(メール/電話)、簡単な契約書確認
スタンダード55,000円相談無制限、契約書レビュー、社内トラブル初期対応
プレミアム88,000円〜緊急時対応、訪問サポート、労務顧問セット可

→ 選択肢を用意することで「検討対象」に入れてもらいやすくなります。


【3】プロフィールの書き方 ― 経歴よりも“経営者目線の理解”が武器

 

 プロフィールは単なる「略歴紹介」ではなく、
「この弁護士なら、相談しやすそう」「わかってくれそう」と感じさせる場です。

ポイント①:「経営に寄り添う法務」というスタンスを前面に出す

例:自己紹介冒頭文

「経営者の法務の悩みは、突き詰めれば“人とお金”です。
私はこの2点に軸足を置いて、中小企業の継続と成長を法務の面から支援しています。」


ポイント②:専門性+“関心の深さ”を伝える

単に「企業法務に注力」では弱いので、

  • なぜ中小企業法務に力を入れているのか
  • どんな業種・規模の企業と関わってきたか
  • よくある相談例や価値観

を文章で伝えることが重要です。

例:専門性の伝え方

製造業や建設業の経営者から、「現場を知らない弁護士には頼みにくい」という声をよく聞きます。
私は、契約書の条文よりも“実務の流れ”を意識したアドバイスを徹底しています。


ポイント③:「相談しやすさ」を可視化する

弁護士選びで大きな要素となるのが「話しやすさ」。
堅い雰囲気だけでなく、人柄や対応スタンスを文章に含めることが差を生みます。

例:信頼感を生む記述

「相談しやすい雰囲気」と言っていただけることが多いです。
顧問契約の方とは、月1回の定期面談をオンラインで行うなど、“常に相談できる関係性”を大切にしています。


【4】信頼性を補強するための補助要素

  • 実績ページ(事例形式で紹介)
  • 相談者の声(顧問先の社長の声)
  • 初回無料相談 or お試し顧問(1か月間のトライアル制度)
  • 定期メルマガ・コラム発信(経営者向けトピックを継続発信)

【まとめ】中小企業専門のブランディングは「実益×安心感」

「中小企業専門」の強みを伝えるには、
弁護士側の視点ではなく、経営者が何を得られるかを徹底して見せることが大切です。

✔ 経営者の悩みに“具体的に”応える構成
✔ 実務対応力と親しみやすさの両立
✔ 導線(HP・料金・プロフィール)の一貫性

これらを意識して情報を設計することで、
あなたの専門性は「選ばれる理由」に変わります。

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