
〜価格競争に巻き込まれず、選ばれる弁護士になるために〜
近年、弁護士業界では「差別化」や「独自性」が以前にも増して重要になっています。法律サービスの認知経路がネット中心になった現在、単に「資格がある」だけでは依頼者に選ばれません。その中で注目されているのが「事務所のブランディング」です。単なるロゴやデザインの話ではなく、誰に、どんな価値を届ける事務所かを明確にする取り組みこそが、信頼や集客力の差を生みます。
今回は、法律事務所が実践すべき「ブランディングで大事な5つのポイント」を、実務視点で解説します。
ポイント❶| “誰のための事務所か”を明確にする
まず重要なのは、「どんな人の、どんな悩みを解決する事務所なのか」という軸を明確にすることです。「何でもできます」は逆に印象が薄くなり、依頼者の記憶に残りません。対象を絞ることで、専門性と親近感が伝わりやすくなります。
●実務ポイント
- ターゲット(法人か個人か、どの層か)を絞る
- 想定依頼者の「生活背景」や「行動パターン」を言語化する
- 事務所の方針・理念がそのターゲットと合致しているか確認
ポイント❷| 独自の強み(USP)を打ち出す
USP(Unique Selling Proposition)とは、「他の事務所ではなく、なぜあなたを選ぶべきか」という明確な理由です。経歴、対応スピード、解決実績、相談のしやすさなど、自分たちの強みを打ち出しましょう。
●実務ポイント
- 「スピード対応」「夜間・土日対応」「医療業界出身」などの特徴を強調
- 強みは数字・事実・体験談で裏付ける
- 自分たちでは気づかない強みは、依頼者の声から見つかることも
ポイント❸| ビジュアルとトーンを統一する
ロゴ、ホームページ、名刺、パンフレット、SNSなど、あらゆる接点で「一貫した印象」を与えることがブランディングには不可欠です。たとえば、上品で信頼感のある雰囲気を目指すなら、配色やフォント、写真の選び方もそれに沿ったものでなければなりません。制作能力を持った、協力会社を見つけましょう。
●実務ポイント
- 色・フォント・トーンを統一(例:信頼感→紺色、誠実→明朝体など)
- ホームページと印刷物で使用する文体を揃える(丁寧語/ですます等)
- 写真も「誰が撮ったか」で印象が大きく変わるのでプロ撮影を推奨
ポイント❹| メディア・発信戦略を持つ(露出の仕方)
いくら事務所の想いが明確でも、それが届かなければ意味がありません。戦略的な発信が、ブランドを「認知」させる第一歩になります。ブログ・SNS・動画・セミナー・書籍など、手段は多様ですが、「誰に向けて何を伝えるか」を定めて発信することが大切です。
● 実務ポイント
- ブログで業務分野に関するQ&Aを継続的に発信
- 事務所公式SNSで日常や弁護士の人柄を見せる(顔が見えると信頼感UP)
- 地域誌や専門誌への寄稿・出演などもブランド力に直結
ポイント❺| クライアント体験の質を高める
本質的なブランディングとは、「外見」ではなく「体験」にあります。依頼者がどんな印象を持って事務所を去っていくかが、最も強力なブランドを形成します。紹介や口コミは、こうした“実体験の延長”として起こるものです。
● 実務ポイント
- 電話・メール・来所対応の印象をチェック(受付対応含む)
- 依頼者への報告頻度や丁寧さを見直す
- 解決後のフォロー(お礼メール、アンケート依頼)も忘れずに
■まとめ|ブランディングは「選ばれる理由」を育てる作業
ブランディングは、特別な広告や高額な制作物が必要なわけではありません。むしろ、自分たちの「強み」と「想い」を言語化し、整理し、伝え続けるという地道な取り組みです。競争が激化するなか、価格や利便性だけで勝負するのではなく、「この事務所にお願いしたい」と思われる存在になることが、持続可能な成長につながります。
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